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「うああ──っ」
背とのどをのけ反らせて叫ぶ花壱。孔を押し開く急速な圧迫感と、快楽のポイントをえぐる強烈な刺激に同時に襲われ身悶える。
「ああ──気持ちいいよ、花壱のなかは最高だ。温かくて、ずっと入っていたい」
「う、ん……いいから……入ってていい、から……もっと動か……、て」
「仰せのままに」
愛おしそうに花壱を抱きしめる拓巳、隙間なくつなげた楔に力を込めいっそう充溢させると腰を引きストロークを始める。ぱちゅぴちゅと結合部から淫猥な音に耳を犯され、強靭な拓巳の腰づかいに最奥を貫かれ花壱は喘ぎ啼く。
「ああっ、んあっ……や、あっ、ああ……っ」
よせては返す波のような拓巳のリズム。たまに押しよせる大波のようなストロークに、堪らず花壱は階を駆け上がりそうになる。
孔内で脈打つ拓巳の怒張もいっそう膨れ上がり、彼もまた感じてくれているのだと思えば涙が出そうなほど花壱は嬉しかった。
「う、あっ……俺、もう……」
「うん、僕も。一緒に達こう──」
花壱の腰を掬うと抱き上げ、ひざに座らせた格好にさせ固く抱擁する。そして口唇を重ね合せると、ふたり同時に迸る愛の息吹を放散させた───
「花壱くん、愛してるよ。僕の許に嫁いできてくれてありがとう、生涯大切にするからね」
肉体を貪り、魂を分かち、そして心を与え合う。
情事後のまどろみのなかで、花壱を腕に抱く拓巳は満足そうに話しかける。
ひと呼吸置くと、遠い眼をした花壱は「……俺が嫁ポジションなのか」「俺も愛してます」と想いを返す。
「うんっ、これからもよろしくね。花壱くん、だーい好きっ!」
出逢った当時はコミュ障を拗らせまともに話すことも儘ならなかった拓巳。けれど今となってはそれもふたりにとってのいい想い出だ。
ChocolateryーTAKUMI──イケメンぞろいのチョコレート店は、ショコラティエとパートナーの経営コンサルタントふたりの愛で魅惑に溢れる。
彼らの甘いレシピはひとつ、それは偽りのない真実の愛──────
ショコラティエの甘い災難/END
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