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拓巳が表だって接客をすると、女性が勝手に描いたイメージを壊してしまう。
孤高のイケメンショコラティエの化けの皮だけは剥がすわけにはいかず、もっぱら拓巳はキッチンの虫と化している。
常に接客はバイトたちに任せ、拓巳はキッチンで製菓に勤しむ。また時間のあるときはアランも接客をしている。
彼もまた拓巳に負けず劣らず気品のあるイケメンで、そのうえ輝くブロンドのフランス人とくればそれだけで女性の心を射止めてしまう。
接客をするのはみなギャルソンで、女性従業員はひとりもいない。
しかもイケメンだけで構成された精鋭ぞろい、これはアランが面接時に顔面偏差値を最も重視した結果。様々なタイプの男が女性客をもてなす、それがアランの描いた営業戦略だったのだ。
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