序章 カモンベイビーアメリカ

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今日は晴れ。出かけるのにちょうどいい気温だ。ノイシー・ミラットは少しの紙幣とカードを持ち 、アパートから外へ出る。 ノイシーは異界のウェットバン大学を卒業した後、アメリカのニューヨーク州に移り住んだ女性である。人間と違うのは、頭に猫耳が生えているぐらいだろうか。 2014年に「双天の合」が起こって以来、地球に亜人が移住してくるようになったのだ。 ノイシーはまだアメリカに来て日が浅いため、観光名所を日帰りで回ろうと計画した。 雑踏に様々な種族が入り乱れている。流石人種のるつぼと言われるアメリカならではの光景だ。 色々名所を回ると、もう夕方になってしまった。アパートに帰るべく、歩みを自分の家に向ける。 自分の部屋に戻り、夕食を食べたいと思ったが、冷蔵庫の中には何も無い。当たり前だ。こちらに来てからはずっと店屋物しか食べていない。今日も例に漏れず、宅配のピザを注文する。注文を終え、ピザが来る前に、飲み物を用意しておこう。そう思って取り出したのはお気に入りのウィスキーとコーラだ。コークハイを作るのだ。こちらに来てから夕食時の飲み物はもっぱらコークハイだ。それでも飽きない。美味しいから。 ピザが届き、コークハイも準備完了。あとはアクション映画のひとつでも流せば至福の時間が始まる。 チーズを伸ばしながら食べるピザは絶品で、それをコークハイで流し込むとたまらない。思わず、「アメリカ最高!!」と叫んでしまいそうだ。 今日も楽しかったな。そう思いながら、夕食を楽しんだ。 夕食を終え、日記を書いた後、ベッドに潜り込んだ。 今は遊んではいるが、将来の不安が無い訳ではない。職探しをしなきゃいけないなー。と漠然としたものだが。 結局、今日も職探しに腰をあげることはなかった。 おそらく明日も遊びに行くだろう。
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