あなたがいる、きみがいる

きみに恋する毎日

「いただきます」

手を合わせて声を揃える。

夕食はリクエスト通りのカレーだ。

一口食べて、美味しいと言えば
安堵したような笑みを零して彼女もようやくスプーンを手にした。

「ねぇ、隠し味に何を入れたかわかる？」

「それ分かったら隠し味じゃないと思う」

味覚ゲーム、と言われてふと考える。

「愛」

「ふふふっ」

らしくないことを言えば

きみは肩を揺らして「正解」と可笑しそうに笑った。