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僕らがここしばらく頭を悩ませている問題はご近所付き合いの深い北鵜野森町に於いては得に由々しき問題であり、本来可及的速やかな解決が望まれるのだけれど。
事が顕在化してから数週間が経過した今も、状況は好転していない。
「まさか婆ちゃんが、あんな事になるなんて誰も予想してなかったからね……」
「あら二人とも、おかえりなさい」
境内を通り家の玄関前まで戻った僕らの頭上から声がかかった。
洗濯物を取り込んでいたのだろうか。
年の頃二十代半ばほどの長い黒髪の女性がベランダから顔を出し、布団の上に肘をついて僕らの方へハタハタと手を振って笑う。
「あー、うん。ただいま……婆ちゃん」
僕はやや引きつり気味の笑顔で返事をした。
朝霧洋子。
僕の祖母で、妖などではなく正真正銘人間なのだけれど。
現在、先日関わったある事件の解決時に発現した謎のアンチエイジング現象が悪化(?)してしまい目下見た目が思い切り若返っている最中なのである。
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