三章  欠けたもの

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「あーいや……やっぱりわからないや。どっかでそんな名前を見聞きしたような気もするんだけど、なにぶんもう歳なんでネ」  せめてもう少し具体的であればあの子に関する手掛かりになる気もするのだけれど、曖昧過ぎてとっかかりが無い。  ここへ来て、僕らの側からかけるアプローチも、現状の情報では頭打ちになりつつある気がしていた。  この件を前に進めるために欠けていた断片が見え始めたのは、実に翌週に入ってからの事である。
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