The days in darkness

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小学生時代からの友達からも突き放された。 『やだよ。そんなこと、自分で解決してよ。はっきり言うけど、私に言われても迷惑なの』 彼女に言われた言葉がフラッシュバックする。 あの言葉は、今でも胸に刺さったままだ。 「きゃっはっはっはっ!」 耳障りな女子の笑い声が響き渡る。 ──嫌だ。 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて。 …誰か、助けて。 そんなことを言ったって、誰も助けてくれない。 望んで、失望するくらいなら…。 私はいつからか助けを求めることをやめた。 ただ、毎日黙っていじめを受ける。 蹴られても、殴られても、髪を切られても、どんな罵倒を受けても。 黙って、耐えて、(こら)えて。 堪えて、堪えて、堪えて。 堪えて──壊れていく。 感覚が、精神が、壊れていく。 いや、もう壊れてしまっているのだろう。 こんな、公衆の面前で汚いモップを擦り付けられて 「こんなこと大したことない。いくらでもやればいい」 なんて思うなんて、 それはもう異常だ。 でも、私は異常であること(それ)にすら気付かない。 だって、これが"普通"なんだから。 これが"日常"。 常、日頃あること。 だから、 異常でも何でもない。 だから、これくらい大したことない。 私はカビ臭いモップのにおいを嗅ぎながらそう思った。
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