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「よし、じゃ行くか」
誰も聞いてないけど声に出してみる。なんか踏ん切りが必要だと思って。
コネクタに寝転がる。ゴツゴツした見た目よりは寝心地は良い方だと思う。まぁベッドには遠く及ばないけど。
寝転がった頭のすぐ上のパネルをピピっと。コンバート開始だ。
プシュー……カシン……。
なんの音かサッパリ分からないけど、いつも通りの音が静かな部屋に響く。
寝転がったボクの目の前には3枚の小さなモニター。そこにはボクの身体データや精神状態のデータが羅列されている。必要な情報はすぐ把握出来た。
「マスタネーム『ソラ』、コンバート開始します」
誰の声なのかは全く分からないけど、ボクの知ってるコネクタの発する声はいつもこの声。やや女性っぽいな。
すぐに目の前がスーッと暗くなっていく。
そしてフワッと浮いた感覚が訪れ、次第に手足の末端から感覚が無くなって行く。
だいたい膝、肘の辺りまで感覚が無くなって来た瞬間、一気に身体の中心までギュッと収縮した感覚に落ちる。
自分がとても小さな点になった後、徐々に膨張して行く。
そして足と手の指の先まで形成される。
静かに目を開ける。そこには壁際からコネクタを見つめる風景が広がっていた。
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