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私ーー小林知恵は普通のホラー大好きな女子高生。
まぁ、拷問方法とか処刑方法とかに詳しいだけやけどね。
ホラー小説書いてる人の知識には負ける。
少しズレた赤い縁の眼鏡を直すと小さい子供が信号を渡っているのが見えた。
そこに信号無視を決めたトラックが突っ込んでくる。
テンプレートに乗るか乗らないか決めている時間は少ししかなかった。
よし、乗ろう。
運が良ければ私が好きな漫画にトリップできるかもしれないしね。
「…危ないっ!」
ダッと走って子供に追いつくとそのまま横断歩道を渡り切らせる。
…で、こう言う時って助からないんだよね。
私は苦笑いを浮かべながら車に体当たりされた。
…人間ってこんな感じだったんだね。
生温かそうな血が道路に飛び散る。
痛みはそんなに感じない。
フワリと飛んだ後トントンと二回跳ねた。
さっきの男の子が「お姉ちゃん」と大きな目から大きな雫をポロポロ出している。
パタリと倒していた手をあげて男の子の?に手を当てる。
「…強くなれよ」
そう言って私はパタリと腕を落とした。
そしてふっと意識を落とした。
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