キャサリン

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相変わらず屋外は肌寒かった。霧が深い日は続くが、暦の上では今は夏なのだった。やがて、英国にも体感出来る夏の陽射しが訪れるに違いない。 今、まさに一九四三年の夏が始まろうとしていた。そんな六月半ばの土曜日の今日、キャサリンは十六才の誕生日を迎えたのだった。 伯爵とキャサリンは、訓練所の中に設けられた散歩道を並んで歩き続けている。 「今日は君の誕生日だというのに、時節柄何も祝ってあげる事が出来ない」
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