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まりちゃんはペンギン幼稚園のイルカ組の女の子です。
今日もママと一緒に手を繋いで、幼稚園に行きました。
門の前では、園長先生がみんなに「おはよう」と声をかけています。
ペンギン幼稚園の園長先生はシワだらけの顔で、いつもニコニコしています。
「園長先生、おはようございます」
まりちゃんが挨拶すると、園長先生は
「おはよう、まりちゃん」
と優しい笑顔でこたえてくれました。
どうしていつも園長先生は門の前で私たちを待っているのかなぁ。
まりちゃんは不思議に思いました。
明日は園長先生よりも先に、一番に幼稚園に行こう。
そして、園長先生をビックリさせてやろう。
次の日。
「ママ、早く行くよー」
まりちゃんは、いつもより30分も早く幼稚園に着きました。
門の前では、やっぱり園長先生が待っていました。
「おはよう、まりちゃん」
いつもと変わらない笑顔で園長先生は言いました。
「おはようございます」
まりちゃんは、園長先生に聞きました。
「園長先生はいつから幼稚園にいたの?」
「まりちゃんが来るちょっと前よ」
「そっかぁ。私が一番早いと思ったのに」
「今日はまりちゃんが早く幼稚園に来る気がしたから、私も早く来たのよ」
「ええっ!」
まりちゃんはビックリしました。
「どうして私が早く来ることがわかったの?」
園長先生はふふっと笑ってから、秘密を打ち明けるように小さな声で言いました。
「魔法を使ったの」
「えええっ!」
まりちゃんはもっとビックリしました。
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