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コリントスからはすでに伝令が届いており、三人は門を抜けると、アイゲウス王の家臣に先導され、まずは戦いの女神アテネを祀るパルテノン神殿に向かった。
「王子さま、姫さま。もうすぐパルテノン神殿でございます。ところで、みなさまが入国される前、とても縁起のよいことがございました」
「それは、どういったことでしたか?」
「実は、今朝、パルテノン神殿に女神ニケが降り立ったのでございます!」
エディプスとポリュポンテースは同時に叫んだ。
「女神ニケが!」
ニケ、英語ではナイキ、戦いの女神アテネに従う勝利の女神である。有翼の美しい女性像として伝る。
「そうでございます。今朝、王妃と私、そして数名の従者がアテネの祭壇に祈りを捧げました帰り、空にそれはそれは明るく輝く光が見えたのでございます。振り仰ぐと、神殿の上に女神ニケがご降臨されたのでございます」
「え?明るく輝く光?」
二人は先ほどスフィンクスが降りてきた時の光を思い出し、顔を見あった。エディプスの背中から「ふふふん」と鼻歌が聞こえる。
「そう、黄金に輝く翼が朝日に神々しく輝いておりました。そして、そのお顔の何と美しかったこと!」
スフィンクスが慣れないお姫様ことばで口を挟んだ。
「それほどお美しかったのでござりまするか?」
「はい、それはそれは!まるでアフロディーテのようでございました。そして、ほっそりしたお体には・・・」
家臣は少しうつむくと言葉を濁した。
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