第3章 女神ニケ降臨

3/3
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「どうしたのですか?」 と、エディプス。 「神罰が下るかもしれませんが・・・、それはそれはお美しいお胸が・・・」 「なるほど・・・」 「ふふふん、ふん!」  明らかにスフィンクスは上機嫌である。今朝、スフィンクスが飛んで行ったのはパルテノンで、神殿に着地したスフィンクスの翼と顔を見てニケだと間違えたのだろう。確かに翼と顔、上半身だけ見れば美しい女神に見えないこともない。ちなみに、この時代のパルテノンはまだまだ小規模な神殿だけだったが、後々スフィンクスが降り立った場所にニケ神殿が造られることになる。 「お兄ちゃん聞いた?ニケのお顔はね?、美しくて、アフロディーテみたいだったって!」 (お兄ちゃん・・・) エディプスは、弟である設定を諦めることにした。そして、もちろん降り立ったのが有翼の女神ニケではなく珍獣(・・)スフィンクスだとはとても言えなかった。  エディプスは、パルテノン神殿のアテネ祭壇にコリントスの後継者となったことを報告、そして、母親と××してしまったことも加えてこっそり報告した。処女神であるアテネの逆鱗に触れないように。 image=513146873.jpg
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!