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郁子先生
郁子先生は高校時代の国語の先生です
今で言う、黒髪のボブカットで服装はシンプル、白ブラウスに黒のスカートでした
文学少女だったと思います
とても純粋な人でした
初めての授業は入学したての一年生でした
一番驚いたのはテストです
テストのはじめに大体ある漢字の読み書きの問題がない
全部、筆記式で5問のみ
教科書持参のテストでした
ですから答案用紙が何ともシンプル!
紙に縦長の長方形が5つ並んでいるだけ
授業もどんどん当ててきます
今の主人公の気持ちはどうだと思う?
「それ」って前の文章から何をさしていますか?
とか、ボヤボヤしていられません
でも郁子先生が、他の先生と決定的に違っていたことがありました
それは
授業の前に申告すれば他のことをやっていても叱らないよと言う事でした
先生、どうしても彼がくれたプレゼントのお返しにセーターを今日中に編まないと間に合わないので編んでていいですか
とか、
先生、つぎの化学の宿題を忘れてしまったのでこの時間にやっていてもいいですか
とか
先生、今日あまり寝ていなくて不調なので寝かせてもらってもいいですか
とか
申告すればいいですよ
と言うものでした
画期的!
でも申告しないで他のことをやっていたら叱られます
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