1

3/7
前へ
/7ページ
次へ
 ピンクの服を着たソラは、桜一番に会いに出発しました。  途中、森の中で、クマさんに会いました。  クマさんは眠そうな顔で、木の実をポリポリ食べていました。 「ああ、早く春が来ないかなぁ」 「どうしたの、クマさん?」 「早く春が来ないと、食べ物が無くなっちゃうんだよ」 「へー、そうなんだ」 「それに冬は眠くて、なにも動きたくないんだ。ふあああ」 「僕はこれから桜一番さんに春が来るようにお願いに行くんだ」 「本当かい? じゃあ、このピンクのズボンを持っていきなよ。桜一番さんはピンクが大好きだからね」 「ありがとー」 ◆◆◆  ピンクの服と、ピンクのズボンを着たソラは、また歩きだしました。  途中、花畑を歩いている時に声が聞こえました。 「ああ、早く春が来ないかしら」  見ると、バラのつぼみがため息をついていました。 「どうしたの、バラさん?」 「桜が咲いてくれないと、私が咲けないのよ。桜の後にバラが咲くって順番で決まっているのよ」 「へー、そうなんだ」 「バラの後にアジサイが咲くって順番で決まっていてね、そのアジサイから、早く咲いてよって言われてるのよ。でも、バラが桜の前に咲くわけにもいかないし、困っているの」 「僕はこれから桜一番さんに春が来るようにお願いに行くんだ」 「本当? じゃあ、このピンクの靴を持っていって。桜一番さんはピンクが大好きなのよ」 「ありがとー」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加