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ピンクの服を着たソラは、桜一番に会いに出発しました。
途中、森の中で、クマさんに会いました。
クマさんは眠そうな顔で、木の実をポリポリ食べていました。
「ああ、早く春が来ないかなぁ」
「どうしたの、クマさん?」
「早く春が来ないと、食べ物が無くなっちゃうんだよ」
「へー、そうなんだ」
「それに冬は眠くて、なにも動きたくないんだ。ふあああ」
「僕はこれから桜一番さんに春が来るようにお願いに行くんだ」
「本当かい? じゃあ、このピンクのズボンを持っていきなよ。桜一番さんはピンクが大好きだからね」
「ありがとー」
◆◆◆
ピンクの服と、ピンクのズボンを着たソラは、また歩きだしました。
途中、花畑を歩いている時に声が聞こえました。
「ああ、早く春が来ないかしら」
見ると、バラのつぼみがため息をついていました。
「どうしたの、バラさん?」
「桜が咲いてくれないと、私が咲けないのよ。桜の後にバラが咲くって順番で決まっているのよ」
「へー、そうなんだ」
「バラの後にアジサイが咲くって順番で決まっていてね、そのアジサイから、早く咲いてよって言われてるのよ。でも、バラが桜の前に咲くわけにもいかないし、困っているの」
「僕はこれから桜一番さんに春が来るようにお願いに行くんだ」
「本当? じゃあ、このピンクの靴を持っていって。桜一番さんはピンクが大好きなのよ」
「ありがとー」
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