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「一つが昔、内紛で滅びかけた国を、救った伝説の剣エクスカリバー!」
いかにもな内情に、いかにもなネーミング。
「九割の挑戦者が、柄に触る事すら許されないという。そう言うならば、告白すらさせて貰えない圧倒的マドンナ!黒髪ロングの生徒会長!!!」
キャラ崩壊早くない?
まぁほっといて、取り敢えず柄を握ってみよう。
触れた!なんか冷んやりとした感触。
よし、抜くぞ!
「せーの!くっっ!?」
夜コタツで寝た親父くらいビクともしない。
「へー、触れるだけの資格と素質は持っていると」
ボソッと聞き取れないボリュームで呟く。
「すみません、無理そうです」
「いやいや、謝らなくていいから、じゃあ次の剣はね」
次の奴がエクスカリバーと同じような物なら、抜ける自信がない。
「とある富豪、その未亡人は純潔ボーイが大好きだった。毎晩、純潔ボーイを募集しては取っ替え引っ替えしていた。しかし彼女の美貌に惹かれて純潔ではない者も、詐称し紛れ込む事も多くなかった。頭を悩ませた彼女は名刀、朝結を魔法によって改造し、女性経験があるのか無いのか、選定する刀へ改造したのであった」
は?
「しかし、長い年月が経つにつれて、込められた魔法の質が変化し効果が、女性にとてつもない苦手意識を持っている相手に大して壊滅的な被害を与えると言う物になってしまった」
は?
「因果なものさね~」
は?
「さぁ、抜けるかな?」
「何その金持ち未亡人の嗜み!ちょっと何から突っ込んで良いか、分からないけど。多分それ、誰でも抜けるだろ!?」
「誰でも良いと捉えるか、人を選ばず、皆を愛す人類愛と捉えるか、あなた次第です」
「うるさいわ!」
取り敢えず抜いてみる。
食べ終わりのアイスキャンデーのあのズレる感じと同じくらいガバガバだった。
「ズボズボじゃねぇか!?ていうか岩に刺す意味あるのか?」
「へぇー、いとも簡単に抜くんだ、やっぱ英雄の卵はそこら中に転がってるな」
「やかましい!要らない、要らない!」
刀が右腕の中に入ってくる!?
どういう事だ!?!?
「気に入られたみたいね、あっそれ使う時、右腕から出てくるから」
「はぁ!?」
「準備はOKみたいだね、行ってらっしゃい」
「え!ちょっと待って!?」
新道高次、転生完了・・・
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