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「そろそろ腹をくくって頂けませんか王よ。お気付きになられたでしょう、対話や和解など不可能。
王がこの様な姿勢では、兵士の士気にも影響が出ます。そして、貴方の王退任を望んでいる幹部も一定数いる事もどうかお忘れなき様」
そう冷たく語りかけるガンダラ。
「この道しか、もうないのか・・・」
手を剣に回すグルモ。
まずい・・・
交戦中のガンダラとゼイに加勢するグルモ。
三対一だ、早く助けなければ!!!
「古島さん!他のギルドのメンバー達は!?」
「大きな任務があって、殆どが出ている。奴らと戦えるのは彼女くらいしか・・・」
「じゃあ、ずっとただただ、見てるだけって言うんですか!!!」
「弱い私達が行っても彼女の足を引っ張るだけだ。加勢する以外にも、彼女を助ける選択肢はあるはずだ。君は避難を・・・何をしている!!!」
気付けば、奴らの方に走っていた。
昔からそうだ、困っている人は放っておけない。
あぁ、せっかく生き返るチャンスを貰ったのに。
でも、後悔は、していない!
「出て来い!朝結!!!」
右手から出て来る朝結。
確か女性がとても苦手な対象に対して、大ダメージを与えるだったか。
そんな効果、あてにしてない。
ただの刀として使用する!
「うぉーーーーー!!!」
「そのような震えた手足で何が出来ると言うのだ、良いだろう、お前の全てを受け止めて、その命を貰うとしよう」
待ち構えるグルモ。
覚悟を、決めろ!!!
グルモの胸元に突っ込む。
蛍光を発する朝結。
死を覚悟した自分の目に映ったのは、爆音と共に、吹き飛ぶ王、グルモの姿であった。
「!?」
戦いの手を止める、女騎士とゼイ。
「止まれ!」
首に刀が押し付けられる、ガンダラだ。
「何をした!どんな魔法を使ったんだ!?」
取り乱すガンダラ。
自分でも分からない。
ただの人間の自分が、魔王を吹き飛ばせる訳ない。
誰かが、魔法で援護してくれたのでは?
魔王が、何かの魔法に失敗して自爆したのでは?
いや、違う、一つだけあるだろう。
まさか、あり得ない・・・
だとしたら魔王は女性が・・・
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