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体が冷たい水を拒絶していて、僕は喉に入ってきた水を全て吐き出した。
「ダメだ、これじゃあ水も飲めやしないぜ」
「起きなよ便器ちゃん、さあ水を飲んで元気になって」
僕は言われるままに目を開けようとしたけれど、目の水分も干からびているようでまぶたがピッタリと張り付いてしまっている。それにまた頭がボーッとしてきて何もかもどうでもよくなっていく。
「ダメだ眠っちゃ、おい便器ちゃんしっかりしろよ、便器ちゃん便器ちゃん」
誰かが僕の頬を叩き呼びかける声がして、しつこく体を揺すってくる。もう本当にほっといて欲しいのに・・・・・・。
「このままじゃあ本当に便器ちゃんが死んでしまう。ようし待ってろよ」
「ブラカスちゃん、ブラカスちゃんが水を飲んでどうするのよ」
「モガモガ、こうするんだ!」
僕の干からびた唇に、突然柔らかいものが押しつけられてきた。柔らかいものの真ん中には小さな穴が空いていて、そこから少しずつ生暖かい水が染みだして来ていた。生暖かい水は僕の喉に心地よく染みていって喉の奥にドンドン吸い込まれていく。僕は穴から染み出してくる水を夢中になってチューチューと吸い付いた。
「ンパッフー、飲んだ、飲んだみたいだ」
「すごいブラカスちゃん、じゃあ今度は私の番だね、ンクウク」
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