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「それじゃあ二人とも、こんな所から僕と一緒に歩いて行くしかないって事だね。でも、ここからいったいどっちに行けばいいんだろう」僕は辺りを見回して言った。
ここから見える僕の視界には、サボテンだけが存在感を示していて、辺りは全く黄色一色の砂漠だった。
「ねぇ、それよりもいい加減喉渇いたでしょう? 私とブラカスちゃんは一度ジャングル地帯でお水を飲んでいたからいいけど、便器ちゃんはずっと砂漠にいたから喉渇いているはずだよね。そこのサボテンで喉を潤すといいよ」エメドラちゃんは言った。
「喉を潤すって、このサボテンで水が飲めるの?」僕はエメドラちゃんに聞いた。
「ちょっと待ってね」
エメドラちゃんはいつもステッキをしまっているポシェットをゴソゴソして、そこから銀色に輝く蛇口を取り出した。
「ジャジャーン、何でもジュース絞り機!」
エメドラちゃんは「何でもジュース絞り器」という銀の蛇口を持ってサボテンに近づいていった。それからサボテンに蛇口の水が出る方の反対側を突き刺した。反対側は少し鋭い形をしていて、サボテンにジュポッという音を立てて突き刺さった。
「これで、この蛇口をひねるとサボテンの美味しいジュースが沢山出てくるよ。みんな一緒に飲もうよ」エメドラちゃんはポシェットからコップを三つ取り出して僕らに配って言った。
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