Vの研究

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「うぃんく(なんと下手な発音!ここまでひらがな英語を言えるなんて逆にすごい!読者の皆さん、拍手!)するときは、パチンというオトがするだろ。だからこのオトキゴーは<高く短いオトで>というしるし。さて、次のオトキゴーは、っと……。」 また机をガサガサするV。 その後もたくさんのオトキゴーを紹介した後、Vはノアに聞いた。 「どうだい、すごい研究だろ!ノーベル賞並みの発明だ!」 一人盛り上がるV。 ノアは、とても優しい。 それはもう求婚者が大勢やってくるほど、優しい。 それだけでなく、イッチャッテルVにはなにも言わないほうがいいこともよく心得ている。 しかし……。 「博士はノーベル賞並みの発明といいましたがこれは一般的には顔文字と呼ばれるもので、それはもう知らない人はいないくらいに知れ渡っています。現に町をあるけば、みんなこのオトキゴーを顔文字とよんで使用しています。」 とうとうノアは思っていることを口に出してしまった。 「え?」 かたまるVに、音符が書かれた紙を見せる。 「それだけじゃありません。この世には音符という記号があることを知らないのですか?こんなわかりにくい記号なんて、だれも使わないと思います。それ以前にネーミングが間違っていると思うのは私だけですか?こんな複雑な顔文字……失礼、オトキゴーよりも、音符のほうが数倍いいです。ちなみにこれは八分音符と言って……。」 わざと間違えた上に音符の説明まで話し出すノア。     
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