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承 ワンダーペットショップとお返し猫
「わあっ!」
店内にはいったフミは、思わず歓声をあげた。
「かわいい~!」
水色のカーペットをしいた床、真っ白な天井に壁。
店中をうろつきまわっている猫、犬、鳥、ウサギにリス……。
「すごい!」
店中をぐるっと見回すと、足元に柔らかい感触が。
「あら、猫ちゃん。」
しゃがみこんで頭をなでると、その猫は気持ちよさそうにゴロゴロとのどを鳴らした。
見ていた女の人が言う。
「お返し猫、ね。その子飼ってみる?」
「え、買うって……。でも私お金もってないです!それにお母さん動物嫌いで。」
「うちの子たちはね、自分にピッタリな飼い主を見つける力があるの。つまりその子は、今のあなたには自分が必要だと感じたわけよ。」
「そりゃ、かわいい猫ですけど、でも。」
「その猫はお返し猫。その子を飼っている間他人にしたことは、すべて自分に返ってくるの。あなた、人をいじめたりしてない?それかいいことをしたのにお礼を言われることもなく不満をもってるとか。」
「どうしてわかったんですか!?」
「お返し猫を必要とする飼い主は、その手の人が多いから。」
「確かにそうかもですけど、本当にその猫を飼ってるとやったことが返ってくるんですか?」
「うそだと思うなら飼ってみる?」
「だからお金もないしお母さんは動物嫌い……。」
「お金はいらないわ、その子があなたを選んだんだから。それにここの動物たちは飼い主以外の人には見えないの。お母さんには気づかれないわ。」
「本当ですか?」
「まあ飼ってみて、だめだったらもう一度ここにいらっしゃい。」
「私、ここへの道知りません!」
「その時になったらお客寄せインコがお出迎えするから、大丈夫。」
「おきゃくよせいんこ?」
「ここの動物が必要な人を見分けて、店に呼ぶの。それと、本当に店にこれなかったら警察に連絡すればいいわ。」
最初は半信半疑だったフミも、警察に連絡すればいいとまで言われたので、だめでもともとお返し猫を飼うことにした。
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