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もともと、フミは自分のネーミングセンスに自信をもっていない。
「猫だからニャーちゃんとか、ぶち模様だからぶっちーくんとか……。」
自分でもかなりひどいと思ったのだが、お返し猫も同じ考えらしくぶすっとして横をむいてしまった。
「えっと……それじゃあ、ミャン子は?」
すると、お返し猫の目が輝いた。
嬉し気に頭をこすりつけてくる。
「え!?いいの!?」
これはだめだなと思っていたので、フミはかなりおどろいた。
しかしお返し猫のほうはのどを鳴らしてあまえてくる。
「えっと、じゃあ……そしたら、今日からあなたはミャン子ね。」
お返し猫…………ではなくミャン子は、大きくうなずくとまた頭をフミにすりよせて甘えた。
「あ、見て、あそこ。」
次の日の登校中、ナオが道端をゆびさした。
「おさいふ?」
ひろいあげるフミ。
「交番に届けなきゃ。」
「え、もう授業はじまるよ。」
「平気よ。ナオちゃんは先行ってて、私これ届けてくる。」
「う、うん……。」
交番に届けて学校につくと、もう授業はすでにはじまったあとだった。
ちょうど国語で、ナオが文章を音読している。
しかしかなり緊張しているとみえて、つっかかりまくっていた。
なんとか読み終えたところでチャイムが鳴り、授業は終了。
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