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先生が教室をでるなり、イチコたちは早速ナオをいじめにかかった。
「ちょっと、今日つっかかりまくってたじゃん。どうしたの?」
「めっちゃダサいんだけどー。」
「あんたがなかなか音読終えないから、今日の授業、ほとんどなにもできなかったじゃん。」
ナオはみんなに囲まれてうつむいている。
フミはいたたまれなくなって間に割って入った。
「ちょっと!よってたかっていじめたりして、ナオがかわいそうでしょ。だいたい音読でつっかかるなんて誰にでもあることじゃん。それを責めるのはちょっとどうかと思うけど?」
「言ったわね!」
イチコがなぐりかかる。
周りの女子も
「信じらんない。」
「うざっ。」
「死ね!」
などとはやし立て始めた。
しかし。
「こらああああーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
いきなり、教室中に怒鳴り声が響き渡った。
「君たち、一体何をしてるんだ!」
声の主は先生だった。
どすどすと歩いてきて、イチコの脳天にげんこつをおとす。
「いい子だと思ったのに、先生のいないところではいつも弱い者いじめをしているのか?だいたい……。」
先生がイチコにお説教しているのをききながら、フミはあの女の人が言っていたことを思い出した。
「他人にしたことが、自分に返ってくるのよ。」
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