第9章 18年前…

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鈴木「美代子さん…赤ちゃん…出来たんだ…。 凄く嬉しいよ。  良かった…。 大切に育てような。」 美代子「鈴木さん…ご迷惑じゃないですか? 貴方は家庭のある身。  私は貴方の子供を生んではいけないのでは… 無いですか?」 「美代子さん…私は家庭を捨てて美代子さんと一緒になりたいよ。 そして新しい家庭を作りたい…。」 「鈴木さんの気持ちはよく分かります。 その気持ちがウソじゃ無いことも… でも私…泥棒猫には成りたく無いんです。 私は鈴木さんに愛して貰いました。 とても幸せなんです。 でも奥様から鈴木さんを奪う事は出来ません。 私は私の子供としてお腹の子を育てます。 ひとつお願いは…名前を付けて欲しいんです。 まだ男の子か女の子かは分かりませんが。」 「本当に済まない。 君を幸せにしたいのに… 辛い思いばかりさせて…」 「いいえ… 私は鈴木さんに逢えて幸せなんです。 こんな人生…… 一人じゃ とても生きていけない…」 「美代子さん…」 鈴木は自分の上着を美代子に着させて、 その上から抱きしめて… 寒くないようにと気遣った。
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