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美代子「じゃあ…桃子も啓介もお金に苦労したんじゃない?」
桃子「う~ん…まあ一つのオニギリを二人で分けあったり…
お母さんから500円貰ったから牛丼屋で一人分頼んで二人で分けて食べたりとか…」
美代子はもう顔をグシャグシャにして泣いてしまった。
桃子「でも…ある時から貧乏に感謝できるようになったんだ…
友達の両親はお金持ちだったんだけど…お父さんの酒癖と女遊びが酷くてね…
ああ…お金が有っても幸せじゃ無いんだな…って思ったんだ。
そういう面じゃあ…田代夫婦は貧乏でも仲良かったしね。」
玲奈「私ね…お姉さんとお兄さんが居るって分かって…凄く嬉しかったの。
お父さんは違っても、血が繋がってるんだって。
お姉さん、お兄さん…私を妹として認めてくれるかしら?」
啓介は姉の桃子の顔を見て目配せした…
啓介「もちろんだよ。東京に人は いっぱい居るんだけど…血が繋がった兄妹は僕達3人だけだからね…」
桃子「玲奈ちゃんね……今日は妹に会えると思ってワクワクしてたんだよ。
お姉さんは玲奈ちゃんの事好きだなあ。
もうハグしちゃいたい位…。」
その時…玲奈はシクシク泣き始めた。
「ゴメンなさい…長い間、お母さんを独占してしまって……
こんな妹を許してね…。 お姉さんもお兄さんも、いっぱい苦労してきたのに…。」
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