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サンドラ「ジェシカ……。どこに花があるの?」
ジェシカ「…。ごめんなさい、分からなくなっちゃいました」
その言葉を聞いてため息が出そうだった
私はジェシカが見た綺麗な花を探して森に遊びに来た
でも見つからず、空はすでに暗くなり始めていた
サンドラ「ジェシカ、もう諦めましょう?無理よ
これ以上は、私たちが帰れなくなるわ」
ジェシカ「わかりました……もう諦めます」
その顔は悲しみを写していた
私はそんなジェシカの手を引いて来た道を戻る
サンドラ「ジェシカ、また今度にしましょう。私は怒ってないからそんなに落ち込まないの」
どうしても居たたまれなくなって声をかける
ジェシカ「また今度、付き合って下さるのですね?嬉しい!
ありがとうございます、サンドラ姉様」
何故そんなに喜べるのかしら…。私の苦労を知らず
ジェシカがうらやましい
変な思考に行き着きそうになるのを歩くことに意識を向けて頭の隅に追いやる
そこにポツリと頭に冷たいなにかが落ちてきた感覚がした
サンドラ「まさか…雨?」
口に出した途端に大粒の雨が私たちを襲う
サンドラ「っ…ジェシカ急ぎましょう!」
ジェシカ「分かりましたけど、姉様…。でも……」
サンドラ「いいから!」
何か言いたげなジェシカを止めて走り出す
ただ雨から逃れるために一生懸命走り続けた
どれくらい走ったか分からなくなるくらい走り続けて私たちはやっと館を見つけた
とても大きく、何かしらが出てきそうな雰囲気の館の気配にゾッとしつつ、来た道を見ながら
もう後戻りはできないと覚悟を決める
ジェシカ「どうしましょうか姉様……怖いですね」
サンドラ「私もよ……。でも私がいってくるからジェシカは後ろにいて。
万が一があっても大丈夫なように」
私が守ってあげなきゃならない
ジェシカ「はい。お姉様。すみません、」
その曖昧な返事を聞いて私は、扉を叩いた
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