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始まりの夜
モブ爺「おや、こんな夜更けにどうされたかな?
女の子二人が物騒じゃろうに」
私たちは顔を見合わせる
でも後ろを振り返って、こんな暗い夜道を歩いて帰れる自信はなかった
モブ爺「なるほど、この感じだと遭難ですかな?
今日は暗いからここに泊まっていくといい」
すんなりと進みすぎて逆に怖くなるけれど、どちらにしろ選ぶしかなかった
サンドラ「ありがとうございます。泊めさせてください」
私たちの答えを聞くとモブ爺は屋敷の中へと招き入れる
中はとても綺麗だった
モブ爺「部屋は空いているからどこでも休んでよいぞ
では先に戻っとる」
モブ爺は消えた
サンドラ「ねぇ……。不安になるわね
でもよかった。夜はなんとか、なりそうよ」
ジェシカ「怖かった…です。けどよかった
明日は家に帰れるといいですね、姉様」
サンドラ「そうね……。明日は家に帰りましょう?お母様も心配してるだろうから…。
ごめんなさいジェシカ。私はもう休むわね」
どす黒い感情のせいで、いつ妹を傷つけるか分からなかった
ジェシカ「あ…。ご、ごめんなさい姉様
今日はありがとうございました
では……明日また。おやすみなさい」
ジェシカが自分の部屋に消えるのを見つめた
サンドラ「どうして…ジェシカだけ。
こんなに幸せに…
私だって本当は……」
いけない……私の大切な妹なのに
どうしてそんな事を考えて。
ダメね、私が大人にならないでどうするのよ
ただ人知れずため息をついた
自分の部屋へいく
とても広くて色とりどりの物が飾られている
私は疲れてるから、おかしなことを思うんだ
と自分を納得させて布団へ入る
ジェシカがお父様とお母様と仲良しでも二人が私を愛していないわけじゃないのに
やっぱり何もかも疲れている
明日の為にも眠ろう
明日には天気もよくなるわよね?
ふとベットの横にある本が目に止まる
なにか面白いことが書いてあるのではないかとペラリとページをめくった
そのタイトルは「人狼ゲーム」
読んでいる内に全く今の状況と酷似していて
あまりの類似点に恐怖を感じた
落ちたカードを見るまでは
そのカードに目が惹き付けられる
すべてに置いていかれた私にはそれが救いに見えたから
そのカードは『黒猫』
光を羨み…それでもそこにいけない、たどり着けない私の本当の姿
フワリと眠気が私をさらっていった
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