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棚の上に並べられた繊細なフィギュアは、昔憧れていた変身ヒロインだ。女の子がみんなねだった魔法のステッキ、ドレスのようなコスチューム。 私は心の底からそうなりたかった。大切な友達に囲まれ、恋にも世界のためにも一生懸命で。 減っていく友達と、色褪せていく世界。 絶望しかない世界など必要ないから滅ぼしてしまえ。幼い頃憤っていた敵の幹部の気持ちが少し分かってしまうとは。 パステルカラーに彩られたこの部屋で、埋没するように立っている彼女たちは、私のことをどう見ているのだろう。
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