第35話(2)

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「お前が俺のものだという証として、〈これ〉をきれいに剃ってやろうか。ガキのように剥き出しの無防備な姿にして、じっくりと眺めて、舐め回して、突っ込みながら、射精させて――。全部、見てやる」  次の瞬間、和彦は精を放っていた。内奥からの刺激だけではなく、鷹津の言葉に異常なほど反応していた。それでいて、尚、鷹津の欲望を求めてしまう。激しく内奥を収縮させ、男の欲情を煽る。 「秀っ……」 「ああ、また中に、たっぷり出してやる」  小さく歓喜の声を洩らすと、腰を抱え上げるようにして、下から強く突かれた。 「あうっ、うっ、うぅっ」  これ以上ないほど鷹津に強くしがみつくと、それ以上の力で抱き締められ、骨が軋む。だが、感じる苦しさすら、快感を増す媚薬となっていた。そんな和彦の状態を把握したうえでのことか、ふいに鷹津に問われた。 「――和彦、俺と一緒に逃げるか?」  頭で考えるより先に、和彦はこう答えていた。 「無理だ……。逃げるなんて」 「本当に、無理だと思うか?」  小刻みに内奥を突き上げられ、和彦は喉を震わせる。体の奥から尽きることなく官能の泉が湧き出し、全身を満たしていく。鷹津は、さらに和彦を唆す。 「難しく考えるな。俺とこうするのは嫌じゃないだろ?」     
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