第35話(3)

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 何が鷹津を興奮させているのかわからないまま、和彦は内奥を指でまさぐられていた。さんざん広げられ、擦られた場所は、熱を持ち、疼痛を訴えている。それでも、武骨な指で撫でられてから、ヌルリと挿入されると、やはり快感めいたものは生まれる。 「は、あぁっ」  内奥から指を出し入れしながら、鷹津は口元にうっすらと笑みを浮かべた。 「たっぷり注いでやったから、ヌルヌルだな。掻き出してやらなかったから、奥から俺の精液が溢れ出してくる」  両足を抱え上げられたうえに、思いきり左右に広げられる。さんざん愛された部分は、どちらのものとも知れない残滓がこびりつき、まだたっぷりの湿り気を残していた。鷹津は、激しい行為の名残りを愛でているのか、機嫌よさそうに目を細めた。  蜜を含んだように手足が重く、頭もぼうっとしている状態の和彦だが、それでも羞恥を感じることはできる。 「嫌だ。見るな……」 「俺には見る権利がある。俺が、お前をここまでトロトロにした」  鷹津は、愛撫は加えてこない。ひたすら、食い入るように見つめてくる。和彦は羞恥に喘ぎ、弱々しく上体を捩って鷹津の視線から逃れようとするが、しっかり両足を押さえられているため、どうすることもできない。鷹津が愉悦を含んだ声で言った。 「見られるだけで、感じるのか? ひくつき始めたぞ」 「……うる、さいっ……」 「尻から、ダラダラと俺の精液を垂らして言う言葉じゃないな。また、注ぎ込んでほしいだろ」     
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