第37話(1)

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「――お前をどうやって仕置きしてやろうかと考えて、いろいろと準備しておいた。誰も彼も甘やかして咥え込む淫奔な尻には、特に念入りに躾をしてやりたいしな」  ピシャリと尻を叩かれたあと、冷たい潤滑剤が秘裂に垂らされる。さらに、指によって内奥にも施され、よく解されないまま、熱く硬い感触がいきなり挿入されてきた。 「ううっ、うっ、うっ、うくっ……」  苦しさと痛さに呻き声を洩らした和彦は、必死に上体を動かして前に逃れようとしたが、腰を掴まれて引き戻される。このとき、内奥深くまで欲望をねじ込まれた。  息をするたびに、痛みが頭の先まで響く。潤滑剤の滑りのおかげで、内奥の粘膜が切れることはないが、圧倒的な重量を持つものに強引に押し広げられているため、まるで下肢から引き裂かれているようだ。  しかし和彦は、痛いのは嫌だと訴えられなかった。いつでも和彦を快感で追い詰めてきた男が、今は容赦なく痛みを与えてくる理由を、理解しているつもりだ。  これは剥き出しの、賢吾の執着心と独占欲だ。和彦が体を重ねた玲に対してのものもあるだろうが、何より強いのは、さんざん和彦の気持ちを掻き乱して姿を消した鷹津に対してのものだろう。賢吾は、嫉妬に狂っているのだ。  和彦と会わなかったおよそ一か月の間、賢吾は一人で煮え滾る感情と向き合っていたのかもしれない。     
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