第37話(1)

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 律動の合間に賢吾に問われ、和彦は夢中で頷く。身を起こして震える欲望を指先でなぞられ、嗚咽のような声を洩らしていた。 「早く、解いてくれっ……」 「だったら、俺と約束しろ」  何を、と眼差しで問いかける。賢吾は荒い呼吸を繰り返しながら、食い入るように和彦を見下ろしていた。 「――どんな男と寝て、情を交わそうが、俺の側にいろ」  和彦の返事を待たず、賢吾が唇を塞いでくる。激しく唇を吸われ、引き出された舌に容赦なく歯を立てられ、一方で内奥深くを間断なく突き上げられる。和彦は、満足に息もできなくなるほどの絶頂感を味わう。いつの間にか欲望の紐を解かれ、悦びの証である精を噴き上げていた。  淫らな蠕動を繰り返す内奥に、賢吾もまた、二度目の精を注ぎ込んでくる。その感触に和彦は、賢吾の下で身悶える。 「返事を聞かせろ、和彦」  体中の感覚が敏感になり、何度目かの肉の悦びを極めている和彦に、痺れを切らしたように賢吾が促してくる。その手は、再び身を起こした欲望にかかっていた。根本を強く締め付けられたが、和彦が上げたのは悲鳴ではなく、媚びるように甘い声だった。  睨みつけた先で賢吾は、真剣な表情をしていた。和彦はのろのろと片手を伸ばし、髪に指を差し込む。 「あんたが、そういう物言いをするときは、たった一つの返事しか求めてないだろ」     
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