第34話(1)

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 長嶺組の組長を経て、さらに大きな組織である総和会を動かしている人物の発言は、重みがあった。和彦などがうかがい知ることができない経験があっただろう。守光の経験を聞きたがる者はいくらでもいるだろうが、和彦は違った。化け狐が身を潜める一層深い闇を覗き見ることが、怖いのだ。  もうすぐ、その深い闇に取り込まれてしまうというのに。
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