最終話 僕に救いをくれる人たち

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 僕らは次々に保健室を出て、すっかり陽が沈んだ廊下を横並びに歩いていた。窓から見上げた空はオレンジの余韻を少し残して赤茶色に染まっていた。その色は、どことなくカレーを思わせる。そんなことを思っていたからか、ふいにまた、鼻孔にカレーの匂いが広がる。ターメリック、レッドチリ、クミン、コリアンダー。さまざまなスパイスが混ざり合った中に、少しだけ顔を出すトマトの香り。じっくりと煮込まれたカレースープの香ばしい匂いの余韻が空腹を刺激する。今日は何カレーだろうか。ぼんやりと思いながら、僕はぽつりとつぶやいた。 「さっ、帰ってカレー食べるか」 「またカレーかよ」 「このカレー星人」
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