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第2の出来事 事後処理とこれからの事
さて、その後の様子を掻い摘んで説明しよう。
王子は、この件に関しての報告書を作成した。
少女については謎が多いが、王子はひとまず「侵入者はブダラーク男爵の末裔である」と、少女の言葉を信じてそのまま報告した。
ウィンヅ曰く「今までに感じたことのない魔力だったので、闇属性であることに間違いはないかと。」とのこと。風属性は他人の魔力に敏感なため、その言葉に間違いはないだろう。
次に侵入者が跡形もなく消えた件について。それにはサイレントがこう述べた。「一目見て、コイツは幻だと感じた。」と。なんでも生きた人間が必ず放つ“生気”を感じなかったとか。緑属性は生気を感じとることが得意なため、その言葉にも間違いはないだろう。
自分の分身を作る魔法が本当に存在するのかどうかについては、イブラリーが「なんかの本で、闇属性がそんな魔法を使えるって書いてあったよ~。」と証言した。これに関しては半信半疑だが、王子はイブラリーを信じることにした。
他にもその当時の皆の行動などを事細かくまとめ、王子は父親である国王にこの報告書を提出した。国王は王子が危ない真似をしたこと、そして闇属性について知ってしまったことに不満げだったが、これからの行動について王国議会で諮るようだ。
ちなみに王国議会とは、各務卿と宰相からなり、行政方針についてなどを話し合う議会のことだ。可決には国王の承認が必要ではあるが。
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