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「何故父上は僕に闇属性について教えてくださらなかったのでしょうか…。」
「…私の憶測ではありますが、多分、グロウスター殿下に穢れてほしくなかったのでしょう。」
「…穢れるとは、一体…。」
事後処理がひと段落つき、王子はサイレントとウィンヅと共に図書室でこれからについて話し合っていた。少し話は逸れてしまっているが。
「いつまでも純粋でいて欲しかったのでしょう。」
「…迷惑です…。」
そんな話をしていると、図書室の扉が開いた。
「やっほー、グロウ殿下。やっと落ち着いたんだねぇ。」
入ってきたのは、イブラリーだった。王子は座ったままイブラリーと向き合う。
「ラリー、今日はサボりかと思っていました。」
「うん。大変そうな仕事押し付けられそうになったから、逃げて来た。」
「良いんですか、それで…。」
「大丈夫。代えのきく仕事だったもん。」
満面の笑みでそう言うイブラリーに王子は頬を引きつらせる。仕事を押し付けられた方、ご愁傷様です…と。
「それはそうと、グロウ殿下にお客さんだよ~。」
「…お客さん…?」
王子はキョトンとする。イブラリーは図書室の扉の方を振り返り、手招きをする。図書室に入ってきたのは__王妃の侍女だった。
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