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「あっ。貴女は確か…アスク?」
「いまの私は侍女ですので、ソイルです。」
「あっ…えっ…?ソ、ソイル?ですか?」
王子は混乱する。ウィンヅは「ユピア少尉がアスク尋問兵で、侍女のソイル…?」と理解出来ないと言ったように呟く。
「はい。本日はグロウスター様にお伺いしたいことがあるので、参りました。」
「…?僕に、ですか?」
ソイルは扉を閉めながら頷く。
「はい。…僭越ながら、グロウスター様は闇属性についてどうお考えなのか伺いたく存じまして。」
「…闇属性について、ですか…。」
王子は顎に手を添え、考えこむ。ソイルはジッと王子を見つめる。
「…今の僕は闇属性について知らなすぎます。なのでなんとも言えないのですが…。現状をどうにかしなければならない、とは思います。」
「…ただ今王宮では“闇属性は人ならぬ者”と言う噂が実しやかに囁かれています。それに関してはどうお考えですか。」
「それに関しては事実無根だと信じています。まぁ、僕は何も知らないので、否定することは出来ませんが…。」
ソイルは目を丸くし、固まる。王子はそこまで驚くことか、と不思議に思う。
ソイルはゆっくりと口を開いた。その声は、少し震えていた。
「…何故、そう信じておられるのですか…?」
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