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「…何故って…彼らは人間の中で…人間だから、少し他と違うという事で差別されたのでしょう?何故差別されているのか、詳しくは知らないのですが…全く別の生物であれば、“人として”隔離はされなかったのでは…?」
「「っ!!」」「それもそうだねぇ。」
王子の言葉にソイルとウィンヅは息を詰まらす。確かにそうだ。闇属性は『悪の権化』『不幸の象徴』と言い伝えられているが、『人ならぬ者』とは、どの時代の書物にも書かれていないのだ。王子がそれを知っているのかは定かではないが、知らなくてもウィンヅの説明と、少し考察すればおのずと出てくる答えだ。そんな事にも気付けなくなった、世も末か。
サイレントも少し驚いているようだ。イブラリーだけがいつも通りであるところ、彼の聡明さが伺える。
「ですから僕は彼らの為に何かしたい。…まぁ、どうにかするにしても、まずは彼らについてよく知る必要がありますが。」
ソイルは俯き、黙り込む。そして、何かを決意したかのように拳を強く握り締め、顔を上げた。
「グロウスター様。私にもお手伝いさせてください。私は視野が狭いです。なので、私ももっと知っていきたく存じます。」
ソイルの瞳には、揺るぎない信念が鮮やかに輝いていた。
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