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ソイルの的確なツッコミにウィンヅが吹き出す。
「いいねぇ。辛辣キャラが欲しかったんだぁ。その体勢でもツッコミを忘れないのは、将来有望だよ。」
「…僭越ながら、インフォーメ閣下。私は芸人になるつもりは一切ございません。」
「ちょっ!とりあえずその体勢を止めろ!殿下!」
「えっあっ、はい!」
ウィンヅに言われて、王子はソイルに立つように促した。尚もウィンヅは笑いを堪える。相手に最大の敬意を示しつつツッコミを入れるサマは、ウィンヅのツボにジャストフィットしたようだ。
「で、グロウ殿下。ソイルをどうするの?」
「人手が足りませんし、母上に仕えていた諜報員なら安心して仕事を任せられますし…。ですが、僕に仕えることになることを母上は了承しているのですか?」
「はい。王妃殿下にその旨をお伝えしたところ、『若い方が行動力があるから、私よりグロウに仕えた方が良いわ』と仰っておりました。」
「母上…。」
「王妃殿下は女性差別撤廃運動の第一人者だからねぇ。守るべき相手は違えど、差別撤廃運動には意欲的だろうねぇ。」
王子は知らなかった。自分の母親がそのような運動を起こしていたことを。王子は世の中はおろか、自分の家族についてもよく知っていないことに、ショックを受ける。
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