本編の前に

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本編の前に

物語が始まる前に、これから語られる世界の魔法について少し説明しておこう。 魔力の源は自然の恩恵である。属性は全部で8種類。 優性順に闇属性、土属性、水属性、火属性、雷属性、風属性、緑属性、光属性である。 それぞれ闇の恩恵、大地の恩恵、水の恩恵、火の恩恵、電気の恩恵、風の恩恵、生命の恩恵、光の恩恵から魔力を授かっている。 魔力は親から遺伝し、1属性の魔力のみを有する者を純血、複数の属性の魔力を有する者を混血という。ただし混血が実際に魔法として使えるのは、優性順位の一番高い属性のみである。 例えば、闇属性の純血と火属性の純血の間にできた子は、闇属性の魔法が使える闇属性と火属性の混血。水属性と緑属性の混血と、雷属性の純血との間にできた子は、水属性の魔法が使える水属性と緑属性と雷属性の混血である。 5種類以上の属性が混ざれば、遺伝子を上手く受け継げなくなり、魔力を持たない状態、空血となる。 例えば、火属性と緑属性と光属性の混血と、雷属性と風属性の混血との間にできた子は、空血である。 ただし、空血と純血ないし混血との間にできた子は、純血ないし混血の遺伝子をそのまま受け継ぐ。 魔力の大きさは純血に近いほど大きくなる。図式化すると、以下のようになる。 純血>混血>空血=0 2種の混血>3種の混血>4種の混血 同じ属性の血が混じる混血同士で子孫を残し続けることで、突然変異で純血が生まれることがある。一般的にその者を準純血と呼ぶ。準純血は優性順位が高いほど、少ない代で突然変異が起こりやすい。 例えば、火属性の混血同士の間にできた子が、火属性の純血だったため先祖を遡ってみると、7代前までが全員火属性の混血だった、ということがあるのだ。 さて、少しと言いつつ長々と説明したが、お分かりいただけただろうか。これから語られる物語の中では誰もが知っていることなのだが、理解できなくても別段困ることはない(予定)なので、安心して頂きたい。もしどうしても必要となれば、またここに戻ってくるといい。小説ではいつでも時間を巻き戻せるのだからな。 閑話休題。 いよいよ物語の始まりだ。若き彼らは一体、どんなことを思い、どんな風に動いていくのか。それは誰にも分からない……。
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