第一章 悲しみ

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こんな世界、大嫌いだ。 希来里(きらり)は思った。 ただ広々とした都会。 ギャルが、まじぃ?と言っているところ。 「こんな世界、大嫌いだ!」 怒りが爆発した。 「もう、こんな世界なんて、消えちまえ!」 そうだ、こんな世界消えちまえ! そう希来里は思った。 あの日以来、希来里はそう思っていた。 これは、数年前のこと。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 希来里は、泣いた。ないて、ないて、なきじゃくった。 両親が射殺されてから、気が付いたころだ。 「なんで死んだんだよ!なんで殺されたんだよ!私一人じゃ、何もできないよ!」 希来里は、まだ両親の死を受け入れられなかった。 「なんで!?何も悪くないじゃん!」 あたりには、血がべっとりとくっついている、床。 そして、両親の死体。 希来里は射殺にきたやつたちを呪った。 そして、殺されなかった、自分のことも。 もう、こんな自分なんて、死ねばいい!と、希来里は思った。 けれど、何度自殺したって、死ねなかった。 なんでだよ。 私なんて、いらないんじゃん!
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