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B「ねぇ、まだ食べるの?」
A「まだって、これまだ3つ目だよ?いつもならもう5個は食べてるね」
まだ、の感覚がだいぶずれている彼女は、こんな小柄なのに大食いだ。
そんな彼女に片思い中の俺は、彼女の斜め後ろを歩きながらおいしそうに食べる姿を眺めている。
B「しっかし、本当においしそうに食べるね」
A「そういってくれるのは君だけだよー。よく食い意地張ってるっていわれるし!」
頬を膨らませてるけど、正直それには同意だ。
まぁ、そのおかげで俺が休日に彼女と会う事ができるんだけどな。
A「ん、このにおい…。あ、おでんだ!おでん食べようよ!」
B「…その食べかけどうすんの?」
A「え?これは…消しちゃおう!」
俺が食べかけのホットドックを指差せば、彼女は小首をかしげた。
かとおもえば、半分ほどあったそれを二口で口に詰め込む。
何回か噛んだ後、ゴクンと聞こえそうな勢いで飲みこむ。
A「ジャンっ!」
B「いや、食べただけじゃん。つっかえるから飲みな」
えへへと照れる彼女にお茶を渡すと、ためらいも無くそれを飲む。
…間接キスとか…気にしなそうだな。
A「ぷはぁ。…へへ、ラッキー」
B「ん?何?」
A「な、何でもないよ。早食いすると太るんだよなーって」
自分のお腹を心配そうにみるが、それをやらないと太らないその体が不思議で仕方ない。
というか、彼女はこれだけ食べても痩せてる方だ。
B「ちょっとくらい太ってもいいんじゃない?」
A「…本当?」
そうじゃないと競争率が高いしな…とか考える俺の下心なんて知らない彼女は、どこか安心したように「もうちょっと大丈夫か…」とか呟いている。
A「じゃあ、太ったら責任とってもらうからね!ということでおでんだー!」
B「はいはい。…責任って、なんだろ…」
元気よく駆け出した彼女に呆れながらついていく俺は、責任の意味を深読みして勝手にドキドキしていた。
だから、彼女が自分の大胆発言に赤面している事には全く気づいていなかった。
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