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「そういう場面に直面したとき敬ならどうするのかなって…少し、気になっただけ。それだけだよ」
「ふぅん」
まだ腑に落ちなさそうな表情を浮かべながらもそう相槌を打った敬は私の髪をさらさらと指に通すように撫で、少しの間を置いて再び唇を動かした。
「もし、しーちゃんが浮気してたら…」
「うん」
「とりあえず、抱き潰すだろうな」
「…へ?」
想像していなかった答えに目を丸くすれば、敬も同じように丸くした目で私を見つめ「なに?」と首を傾げる。
「いや、だって…怒んないの?」
「怒ってどうすんだよ」
くすっと笑顔を零した敬のその表情に思わず見惚れてしまった。
「だって浮気ってことはその男ともうヤることヤッてんだろ?」
「…恐らく、そうなるかと…」
「んじゃあ怒るより先に抱くだろ」
「えぇ…?おかしくない?」
「どこもおかしくねえよ」
そこまではっきりと言い切られると“そうなのかな?”と思ってしまうが、やっぱり少しおかしい気がする。
眉を顰めて考え込む私を余所に敬は「…だってさぁ」と続けたかと思えば、
「 “ここ”、俺の形にしとかねえと嫌だし」
そう言いながら服越しに私の中心を指でグっと抑えた。
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