第0章 出会い

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ガラガラと音を立てて行く、約200トンのスーツケース。 重いな。と、思いながら、彼は家に入る。 家に入った瞬間に、家じゃなくなる。 まるで、闇につつまれたように。 彼はそれを気にしないで、前へ行く。 前か後かもわからないが。 ずっと、歩く。 ずっと、前を向く。 ずっとをつづけて、やっと、ドアの前に来た。 ドアといっていいかは、わからない。 ドアって書くよりかは、光って書いたほうがわかりやすいのか。 その光の中に、彼は入っていく。 光の中は、ふつうの部屋だった。 彼は、どっはぁ。と、声を出して、ソファに倒れこむ。 彼はあおむけになって、天井を見る。 あぁ、なにもかもめんどくせぇ。と、彼は思う。 彼は、魔法使いだった。 とても有名だ。 スーツケースの中身は、魔法の書や杖などが、ぎっしりと入っている。 もちろん、彼が魔法使いだから、運べたのだ。 今度は何をしよう。 そう思いながら、彼は眠くなった。 そうだ。と、彼は思った。 明日は、オーディンに行こう、と彼は決意した。
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