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ガラガラと音を立てて行く、約200トンのスーツケース。
重いな。と、思いながら、彼は家に入る。
家に入った瞬間に、家じゃなくなる。
まるで、闇につつまれたように。
彼はそれを気にしないで、前へ行く。
前か後かもわからないが。
ずっと、歩く。
ずっと、前を向く。
ずっとをつづけて、やっと、ドアの前に来た。
ドアといっていいかは、わからない。
ドアって書くよりかは、光って書いたほうがわかりやすいのか。
その光の中に、彼は入っていく。
光の中は、ふつうの部屋だった。
彼は、どっはぁ。と、声を出して、ソファに倒れこむ。
彼はあおむけになって、天井を見る。
あぁ、なにもかもめんどくせぇ。と、彼は思う。
彼は、魔法使いだった。
とても有名だ。
スーツケースの中身は、魔法の書や杖などが、ぎっしりと入っている。
もちろん、彼が魔法使いだから、運べたのだ。
今度は何をしよう。
そう思いながら、彼は眠くなった。
そうだ。と、彼は思った。
明日は、オーディンに行こう、と彼は決意した。
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