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 広志たちの通う高校の最寄駅は、JRと私鉄の2種類があった。  その内生徒の約9割は、JRを利用している。私鉄の駅は最寄と言っても高校から20分は歩かねばならず、どうしてもその路線を使わなければ通学出来ない生徒が利用しているだけだった。  広志と千果は、その1割の中の2人に当たる。 「ね、当日もし時間あったらさ、ちょっと体育館でバスケしてから部室行こうよ」 「いいけど、どうせ元からみんなそのつもりだろ?」 「そっかなぁ」  ローファーを履いた千果の足が、軽やかに地面を蹴る。  同じバスケ部で、私鉄組。  広志と千果は、いつの間にか一緒に帰ることが当たり前になっていた。  だから、もういつからだったのかすら思い出せない。  正義感が強く曲がったところが嫌いなところとか、半面、とてつもなく気ぃ使いのところとか、バスケをしてる時の真剣な表情とか、笑った時にできるえくぼとか。  一緒に帰れるのも、もう終わり。  春からは2人とも別々の大学へ通う。  だから広志は千果に、今日こそ告白する、と決めていた。
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