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(やはり、一度こいつで全て落とすしかないか)
沖田は長脇差を抜き、手にさげた。
沖田の抜刀に、三人がびくりと肩を震わせ。
「もう一度言うが、おまえ達には一分の勝ち目も無い」
最後の忠告をつげ。沖田は浪士達に半歩近づく。
「無駄な抵抗を諦め、縄につけ」
「馬鹿を言え!」
浪士達が声を荒げた。
「貴様の後ろに女が居るから闘いたくないのだろうッ」
「そうだっ明らかにお主のほうが不利な状況で、何をふざけたことを!」
後ろの冬乃が、びくりと緊張した。
「・・勘違いしているようだが」
冬乃に心配するなと言い聞かせるべく、
「彼女の存在で、俺が不利になるのではなく」
彼らに、覚悟を促すべく。告げた、
「おまえ達が僅かの間、時間稼ぎが出来るだけだ」
その死までの。
返答の代わりに、苦無が飛んできた。
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