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冬乃は、茫然と。うずくまる三人と、彼らを見下ろす沖田の背を。見つめた。
「望み通り殺してやるつもりだったが、おまえ達を目の前にしたら気が変わった。死にたきゃ己で殺れ」
「た・・互い、に、武士と武士であ・・りながら、貴、様は、我らを、愚弄・・するか・・!」
「互いに武士同士、尚更、丸腰の相手を斬る気になどならぬ事ぐらい分かるだろう」
「「・・・!」」
急に沖田が振り返った。
どきりとした冬乃の先へ、沖田は視線を向け。
「縄を」
追って振り返った冬乃の目に、いつのまに番所から来ていたのか、町役人と先程連絡に走った駕籠かきが、少し離れた位置に立っていた。
町役人ははっとした様子で沖田を見返し、一寸のち、こちらへ向かってきて。
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