斎藤一の尾行

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   「新選組の沖田だな!」    「そうだ」  万一の人違いをしないよう確認してくるだけ、まだ感心なことだと沖田は思う。    「貴様は斎藤だな!」    後方からも、斎藤に対峙した男達の怒号が響いた。      「・・・」    今なお無表情であろう斎藤が、その無口で何も返事を返さないので、妙な間が空いた。    「そうだ」  仕方ないので沖田が代わりに後方へも返答する。    「仲間の仇!」  「お命頂戴する!」  早速、浪士達が次々に吼えた。    「貴様ら二人だからといって手加減はせぬ!覚悟しろ!」    それはこっちの台詞だ  胸中吐き捨て。沖田は抜刀した。  
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