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本当だね、フックみたいに鋭く痩せて
きっと可哀想な子を突き刺す準備をしてんだ
夜空にぶら下がった子どものさ
涙は星になって流れて、闇を洗うんだって
ぶら下がった子どもはさ
地上の妬みを、憎しみを食べるんだって
悲しさ、寂しさを食べるんだって
だから真ん丸に太って破裂しちまうんだ
どうして子どもなのかって?
大人は重くて落ちちゃうからさ
でも子どもは小さいから、
一月一憑きしてんのさ
今夜が最後の一人であればいいって?
そんなことじゃあ君、
一月後にゃあ世界が真っ暗になるか、
あるいはその子が太って太って、
この地球より太って、
世界を木端微塵に押し砕いちまうよ。
――なに、全部空想さ
だからそんな顔で見上げ続けなくても大丈夫、
君に刺さりゃあしないよ……
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