第二部 新しい生活

8/10
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
これは、私にとってとても新鮮な物だった。学校じゃ教えて貰えない事だし、上手く出来た時はとても嬉しかった。最後に、走ってアパートに戻り、二人で朝食をとり、ルイナさんがやっている花屋さんへと向かう。  お店の名前は、『イマージュ』。経営は、ルイナさんがやっている。イマージュで私がやる事は、殆どが雑用だ。花の束を車の中に運び込んだり、到着した荷物をお店の中に運び込んだりと、力仕事が多い。後は、メロウが花の配達に行く時、車の助手席に乗って付き添ったりする。  一日の殆どをお店で過ごしているので、私は学校には行っていない。どうせ、学校に行っても喧嘩ばかりだから、行ってもしょうがないだろう。今のままの方が、私にとってはいい環境だ。 けど、勉強を全くしていない訳じゃない。ルイナさんから、色々な事を教わっている。読み書き、計算、特に本をよく読むようにとは、言われた。私は、空いている時間を見つけては、ルイナさんが紹介してくれた本を読み込んだ。それから、新聞もよく読むようにした。これも、ルイナさんから言われた事の一つだけど。  仕事が終わると、私はメロウと一緒に部屋に戻り、夕食をとる。その後は、メロウがギターを教えてくれた。最初は弦を抑える事すら、ままならなかったし、指先が痛くて仕方がなかった。     
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!